こんにちは。くましね薫です。
前回までは、菅原道真がなぜ強力な怨霊と化したのかについて考察しました。
そのおさらいをすると、菅原道真の系譜を探ると、日本最古の王国である「出雲王国」の王家「富家」にたどり着きます。
出雲王国とはなんでしょうか?
出雲王国とはいわゆる出雲族が建国した古代王国です。彼らの起源は、今から5500〜4000年前頃にインドから渡来してきたドラヴィダ族です。平和を好む彼らは、日本の先住民と緩やかに同化しながら勢力を拡大していき、2700年前頃に出雲王国を建国します。その場所は諸説ありますが、九州北部から山陰地方をわたり、東北地方までを治めていたといわれています。
3世紀に起きた物部氏による侵攻で出雲王国が消滅するまで、1000年近くその地を治めていました。
出雲王国は消滅しましたが、現在も出雲王家は続いており、富家の末裔である斎木雲州さんが出雲王家に伝わる口伝を本にして、歴史の開示を行なっています。
その富家から姓を改めた「土師(はじ)氏」が時を経て「菅原氏」を名乗り、朝廷に仕える事になります。
それが、菅原道真です。
彼は天才的な文才で、若くして朝廷の中心的存在になりますが、藤原時平の讒言により太宰府に左遷されます。
なぜ藤原氏はそんな暴挙に出たのか。それは天皇もまた出雲王家の富家の血筋であるためです。同じ出雲王家の血を引く菅原道真が天皇の側近になると、天皇に権力が集中してしまうことを危惧し、時平は道真を陥れました。
しかし、太宰府で亡くなった菅原道真は結果的に怨霊となり、朝廷は大災難に見舞われます。
ここまでが前回までのおさらいです。
このことを理解すると、大ヒットマンガの『呪術廻戦』の術師・五条悟がなぜ最強なのかが合点が行きます。
※以下、コミック26巻のネタバレを含みます。
作中で明かされる五条悟と教え子の乙骨憂太の血筋。
それは2人は遠い親戚で、菅原道真を共通の子孫に持つというのです。
つまり、彼らもまた出雲王家の血を継ぐものなのです。
では同じ血を継ぐのに、なぜ五条悟の方が強大な力を持っているのでしょうか。
それは「五条」という姓です。この姓の由来は、菅原道真が居住していた場所に由来しています。
そのことから、五条悟の方が菅原道真により近い血筋だと推測できます。
出雲王家の血に刻まれているのは「古代祭祀王」の靈力です。
五条悟は幼い頃から世俗と分離した環境で育ち、呪術師として鍛錬を積んできたことによって、数千年数万年と受け継がれてきた「祭祀王の靈力」を覚醒させたのでしょう。
同じ血をもつ乙骨憂太との違いはそこにあります。
その血筋と環境が、五条を「最強」に仕立てあげたのです。
しかし五条は、両面宿儺との戦いに敗れ、死んでしまいます。
両面「宿儺」という名前から分かる通り、彼は物部氏です。
物部氏に滅ぼされた出雲王国の悲劇が、また繰り返されてしまいました。
その後の展開が全く想像つかないので、非常に楽しみです。
では次回ですが、出雲王家に流れている「古代祭祀王の靈力」について考察していきます。
それは、歴史から消された「女性祭祀王」の記憶です。
お楽しみに。
※以上は私個人の考察です。
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