宮﨑駿監督最新作『君たちはどう生きるか』考察シリーズ10回目です。
前回は、大伯父は高畑勲監督だと考察しました。
そしてこの作品は宮﨑監督の自伝的作品とおっしゃっていますが、宮﨑監督自身の生い立ちと主人公眞人の設定は微妙に食い違います。それは、この物語は観客の物語であるというメッセージで、あえて設定を外していると考察しました。
では、この作品は宮﨑監督の自伝的作品ではないのかというと、それは違います。
これは、完全に宮﨑監督自身の物語です。しかし、その部分は隠されています。
しかもその部分は、
絶対触れてはいけない「タブー」
なのです。
宮﨑監督はそれを暗号として劇中に残しています。
それが、眞人が夏子の家に来た瞬間に映るものです。
絵本版『君たちはどう生きるか』からの抜粋
そうです、大きな「鬼瓦」です。
なぜ、宮﨑監督は鬼瓦をデカデカと描いたのでしょう?
わざわざ絵本版にも抜粋されています。
これは確実に意味のあるということです。
しかも鬼瓦の上にはアオサギが立っています。
以前の記事で、「アオサギ」とは「うさぎ」のことだと考察しました。
そして「兎(うさぎ)」と「鬼」は字が似ています。うさぎの耳が鬼の角に見えることから
「兎」 = 「鬼」
と解釈する人もいるそうです。
このカットだけで、これほど「鬼」という暗号が組み込まれているということは、
つまり、
この家には「鬼がいる」
ということです。
では、誰が「鬼」なのでしょうか?
それはここでは答えられません。
答えられませんが、ヒントなら出せます。
なぜ、結婚式の際に女性がかぶるものを「角隠し」と呼ぶのでしょうか?
なぜ、『魏志倭人伝』で卑弥呼(ヒミコ)が使う占いを「鬼道」と呼んだのでしょうか?
なぜ宮崎監督は、滅びゆく一族の少女の物語を頻繁に描くのでしょうか?
偶然にも今日は節分の日です。
読者の方にも豆まきをされるという方も多いと思います。
そんな方にお願いがあります。
豆をまくとき「鬼は内」と言ってください。
そこに全ての答えがあります。
では、次回はいよいよ『君たちはどう生きるか』の考察の最後になります。
お楽しみに!
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ありがとうございました🫶