こんにちは、くましね薫です。
今回は久々に宮﨑駿監督作品『千と千尋の神隠し』の考察をします。
前回は劇中に登場する「オクサレさま」の正体は、出雲族の神である「クナトノ大神」で、それは『もののけ姫』の「シシ神様」と同一神であると考察しました。
『千と千尋の神隠し』はとても難解なので、神話や古代史を勉強しながら謎が解けた時点で更新していきたいと思います。
私はこのブログでたびたび言及していますが、日本の本来の神は「龍神」「龍蛇神」であります。
龍神とは、川や海など水のあるところや、雨や稲妻、地下に眠る真水や鉱脈などに宿る神です。
そして日本列島の形自体が龍の形をしていることから、日本は龍の国だと言われています。
地震を起きるのは龍神が怒っているからと言われ、それを鎮めるため茨城県にある鹿島神宮では、「要石」という地震を抑える石が地中深くまで突き刺さっています。
私は鹿島神宮とは、ご祭神の「タケミカヅチ」が龍神を抑えているのを祀っている神社、だと思っていました。
しかし、どうやら違うようです。
みシまる湟耳さん著『少女神 ヤタガラスの娘』にこんな記述があります。
“イソラはまた『神皇正統記』『琉球神道記』ではタケミカヅチとも記される。
「鹿島の明神は元はタケミカヅチの神なり。
人面蛇身。常州鹿嶋の浦の海底に居す。
一眠りで十日も眠るので顔に牡蠣を生ずることの磯のごとし。
それで「磯良」と名付く。(以下略)」”
『少女神 ヤタガラスの娘』P101より引用
「イソラ」とは、日本の先住の海神です。その神を渡来してた海洋民「安曇氏」が征服し、「アズミノイソラ」として取り込んだそうです。
つまり鹿島神宮や春日大社に祀られている藤原氏の祖神「タケミカヅチ」は、そもそもは日本の先住の海神「イソラ」であり、蛇の体をしているということです。
ということはタケミカヅチとは本来は「龍蛇神」であったということです。
現在タケミカヅチとは、人の姿で描かれる神様です。
しかしそのは「龍蛇神」でした。
表博耀さん著『縄文の世界を旅した初代スサノオ』でも、タケミカヅチは本来出雲の神様で龍神であると記されています。
タケミカヅチとは「武甕雷」とも書き、雷神を意味します。
まさに雲から地上に突き刺す稲妻は龍神そっくりです。しかも稲妻は「稲の妻」と書くように、田んぼに落ちると稲の発育を促進させます。
武甕雷とは五穀豊穣の神様でもあります。
諏訪大社のご祭神の「タケミナカタ」も、本来は「ミシャグジ」という龍神ではないかと言われています。
絵本作家ののぶみさんは最近YouTubeで、子どもたちが「ふつぬしさまという龍がいま一生懸命地震を抑えている」と言っているDMを頻繁に紹介しています。「ふつぬしさま」とは香取神宮に祀られている「経津主神」のことで、この神も本来龍神なのかもしれません。
本来、日本の神様は龍の姿をしていました。しかし、ユダヤ系渡来人(主に藤原氏)の手によって人の姿に変えられていったのです。
そうです。まさに名前を奪われた「ハク」そのものです!
彼は本来「ニギハヤミコハクヌシ」という龍神でした。
しかし、彼は湯婆婆によって力を奪われます。
これは映画内だけの出来事ではありません。
実際に日本で起きた宗教戦争で、しかも現在進行形のことです!
このようにして、龍蛇神を人間に変えて、力を封印しているのです。
私たちも、神社のご祭神すら知らず、現世利益にためだけに神社へお参りしています。これこそ「神殺し」に加担しているのです。
『千と千尋の神隠し』とは、そのことを警告する作品であると私は解釈します。
何度も言いますが、『千と千尋の神隠し』というタイトルの本当の意味は、
「いま日本にはたくさんの神様が隠されているよ」
というものです。
その隠されてきた龍神様たちは、いま地震を抑えるために必死に動いています。
私たちはこのまま無視し続けるのでしょうか?
私たちの體の中に眠る「龍蛇族」の記憶を。
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