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『もののけ姫』考察⑥タタリ神にまとわりつく「蛇」の意味は?

前回は、シシ神様の正体は出雲の神「クナトノ大神」だと考察しました。

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では今回は、タタリ神にまとわりつく「蛇」について考察していきます。

 

作品冒頭、エミシの村にタタリ神が襲来します。

タタリ神の体には黒紫色の大量の蛇がまとわりついています。

とても気持ち悪い姿です。

 

村の女の子が襲われそうになったとき、アシタカヒコはタタリ神に矢を放ちます。

そのとき、タタリ神は触手のようなものを伸ばし、アシタカヒコの腕に巻きつきます。アシタカヒコはそれを払いますが、腕には蛇のようなものが巻きついたままです。



こうして、アシタカヒコに呪いが伝播し、村を追放されることになります。

 

では、なぜこの呪いは「蛇」なのでしょうか?

 

このブログの読者で、勘の良い方はお気づきかと思います。

私が何度の記事にしている通り、出雲族には「龍蛇神信仰」、またの名を「アラハバキ信仰」が存在しているからです。

 

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その龍蛇神信仰は、渡来した権力者によって封印されてしまいました。

その封印された龍蛇神が、呪いとなって現れ、強い憎しみを持つものに憑依したのです。

出雲族の神が、呪いとなって出雲族に憑依していくという、なんとも悲惨な構図です。

 

つまりタタリ神とは、封印され、存在を消された龍蛇神の怒りの現れなのです。

 

ちなみにタタリ神が突進してくる時の姿は、まるで蜘蛛のようです。



以前も説明しましたが、手足の長い出雲族は「土蜘蛛」と侮蔑されました。

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あのタタリ神の姿は、出雲族の怨念が込められている、恐ろしくて悲しい姿なのです。

 

ここでも宮崎駿監督は、出雲族の悲しい現実を描いています。

 

そして、『もののけ姫』では、もうひとり悲しい過去を背負った人物がいます。

 

それはエボシ御前です。

もののけ姫」とはサンのことだけを指した言葉ではありません。

エボシ御前こそが、もうひとりの「もののけ姫」だったのです!

 

↓次回に続きます。

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参考文献

 

 

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