おはようございます。くましね薫です。
前回は、龍神信仰の誕生について考察しました。
龍神信仰とは、蛇神信仰の女性祭祀王と、雄牛神信仰の古代ユダヤ人(ヘブライ人)との出会いで生まれた信仰でした。
しかしその後、龍神信仰が「隠されて」しまいます。
以前の『千と千尋の神隠し』の考察でも述べましたが、現在の神社で祀られている神様は人の姿をしていますが、その前は龍神であり、蛇神の姿でした。
つまり、『千と千尋の神隠し』というタイトルの本当の意味は「多くの神様の本当の姿が隠されているよ」ということになります。
しかし、龍神のなかには人の姿になりきれないものもいました。
荒川紘氏の著書『龍の起源』には、
「河童とは龍を人間化したもの」
と記述されています。
水が無いと生きられない河童は、水神である龍神の特徴そのものです。
体は鱗で覆われていて、これも龍の体の特徴です。
画像引用 https://www.hyogo-tourism.jp/spot/666
『今昔物語』では人と龍が相撲をする話がありますが、河童も相撲が大好きです。
これは私の想像ですが、朝廷から龍神を馬の神様「駒神」に変えられたり、人の姿に変えられたりして、それに反抗しようと龍神を信仰していた人たちが河童に置き換えたのでは無いでしょうか。
そして仏教が伝来し、ますます河童の存在はすみに追いやられ、単なる妖怪になってしまったのでは無いでしょうか?
河童は春から秋にかけては人里の川や沼ですごしますが、冬になると衣服を着て山へ篭ります。
その姿を人々は「天狗」と呼びました。
実は天狗の正体は河童だったのです!
天狗といえば鼻の長い真っ赤の顔の妖怪を思い出しますが、いちばん最初の天狗は「鳶(とび)天狗」といって、クチバシのある天狗でした。
画像引用 天狗 - Wikipedia
まさに河童に似た顔です。
烏天狗も、もしかすると鳶天狗から派生したのかもしれません。
ではなぜ天狗は今のように鼻の長い妖怪になったのでしょうか?
天狗のモデルはサルタヒコであるとよく言われます。
サルタヒコは日本神話に出てくる神様で、邇邇芸(ニニギ)命が天孫降臨したときにヤマトまで道案内します。
しかし以前記事にしたように、出雲口伝ではサルタヒコとは父クナトノ大神と母サイヒメノ命の子供であると記されています。
サルタヒコの「サルタ」とは「鼻が長い」という意味で、インドの象神「ガネーシャ」がモデルとなっています。だからサルタヒコは鼻が長いのです。
私が考えるに、クナトノ大神とは古代ユダヤ人のことで、サイヒメノ命は蛇神信仰の女性祭祀王のことでは無いでしょうか?
その子供は当然龍神になります。
日本神話によると、サルタヒコの鼻の長さは7尺(約2m)もあります。これはもともと龍神だった名残でしょう。
そして、同じ龍神から派生した鳶天狗と習合し、今の鼻の長い天狗の姿になったのでは無いでしょうか?
つまり、河童も天狗もサルタヒコも、皆同じ龍神なのです!
龍神信仰は、時代を経るごとに姿をどんどん変えていったのでした。
では次回は、その「サルタヒコ」についてさらに深掘りしていきたいと思います。
以上は私の仮説です。
あくまでエンタメとしてお楽しみください。
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ありがとうございました。