おはようございます。くましね薫です。
太陽神考察の5回目です。
前回は、なぜ藤原氏は太陽神を女性神に変えたかを考察しました。
藤原氏の祖である藤原(中臣)鎌足は、大陸からやってきた渡来人で、中臣家に婿入りします。
唐の政治を目の当たりにしてきた鎌足は、女性祭祀王が統治する古代の日本の政治に危機感を抱いてました。
そのため乙巳の変を起こして蘇我氏を滅ぼし、大化の改新によって日本を強力な律令国家へと改革します。
強力な国家を作るには、強力な国王が必要です。
なので女性祭祀王ではなく、男性祭祀王が統治する国家を目指しました。
そこでもともと男性神だった太陽神を女性にし、その太陽神を相手する祭祀王が男性になりました。
そして万世一系という神話を創るために『古事記』『日本書紀』を編纂し、男系の天皇国家が誕生したのです。
その藤原氏は、神社の改変も行います。
それは、神社で6月と12月に「中臣祓」という祝詞を唱えることを命じます。
大祓祝詞は「唱えるとご利益がある」と言われ、スピリチュアル業界でもてはやされていますが、本質は違います。
私は以前、「大祓祝詞は蝦夷討伐のために作られた」と考察しました。
しかし、本質はもっと根深く、もともとは「女性祭祀王と古代の神々の封印」のために作られました。
そしてその封印に利用される神様が「瀬織津姫」です。
瀬織津姫とは、大祓祝詞だけに登場する謎の女神です。にもかかわらず、人気のある神様でもあります。
瀬織津姫は、大祓祝詞の「祓戸大神」の4柱の1柱として登場します。
祓戸四神とは
・罪穢れを川に流す瀬織津比売神(セオリツヒメ)
・河口や海底で流れてきた罪穢れを飲み込む速開都比売神(ハヤアキツヒメ)
・速開都比売が飲み込んだ罪穢れを根の国、底の国に息吹を放つ気吹戸主神(イブキドヌシ)
・根の国、底の国に持ち込まれた罪穢れをさすらって失う速早須良比売神(ハヤサスラヒメ)
この4柱です。
しかし、この4柱はもともとは瀬織津姫1柱だったようです。
それを4柱に分解されました。
なぜ中臣(藤原)氏はそのようなことをしたのでしょうか。
それは、瀬織津姫の正体は、強力な霊力を持つ女性祭祀王だったからです。
名前から察するに、川瀬で織物を織りながら神託を降ろす巫女だったのでしょう。
彼女は人々から絶大な人気を誇り、彼女の亡き後、瀬織津姫として神格化したと考えられます。
その彼女の存在は、藤原氏にとって邪魔な存在でした。
なので歴史の闇に葬らなければなりません。
だから瀬織津姫は日本神話には登場ないのです。
しかし、彼女はたいへん強力な霊力の持ち主です。ぞんざいに扱えば祟りが発生します。
そこで中臣(藤原)氏が考えたのが、彼女を祝詞に登場させ、その力を利用することです。
ただ利用するのではなく、神を四分割することで、瀬織津姫の力を弱体化させるのです。
その力を利用して「古代の神様」を封印されます。この「古代の神様」は、瀬織津姫たち女性祭祀王が祀っていた神様です。
なんとも可哀想な瀬織津姫です。
これが藤原氏が1400年前にこの日本で仕掛けた呪縛です。
物質文明を発展させるには仕方がなかったのかもしれませんが、この呪縛が現在の日本でも継続されています。
そしてこれが日本で行われてきた「神隠し」なのです。
強い国家を作るために、男性太陽神は女性になり、女性祭祀王は男性になり、女性祭祀王は弱体化されながら権力に利用されています。
このことを私たちは理解しておかないといけません。
以上は私の仮説です。
あくまでエンタメとしてお楽しみください。
<参考文献>
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ありがとうございました。