今年の6月にある事件が起き、私の父は入院。
転院をしながら、先月下旬に父は退院し、家で生活しています。
思うように立ち上がりや歩行ができない父は、私たち家族の介助がないと生活できなくなりました。
まさか自分が30代で親の介護が始まるとは思いもしませんでした。
いちおう私の前職は介護職だったので、親への介助は平気なのですが、仕事で介護するのとはわけが違います。
仕事は仕事なので、プライベートとの区切りがつけられますが、親の介護となるとそうはいきません。
自分の生活の一部に親の介護が入るため、休まるタイミングがありません。
自分の時間をなかなか作れないので、少ない時間でブログを書かなければいけません。
外出も家族と相談しながら、短時間で済まさなければなりません。
介護サービスが使える時期まで、この状態が続きます。
正直なところ、なんでこんな目に遭わなければいけないんだと、自分の運命を呪ってしまいました。
同級生たちは、結婚して子育てして、真っ当な仕事をしています。
しかし私は、独身で、仕事を辞めて親の介護をしていて、なんて不公平だと。
この数ヶ月、鬱々な日々を過ごしていました。
介護をするときも、イライラしながら父と接してきました。
だけれど先週、ふと気づいたのです。
「これって、幸せなことなんじゃない?」
私の伯父、つまり父の兄は、若くして亡くなってしまいました。
なので、従兄弟たちは伯父への孝行がしたくてもできません。
もしくは、自分の父がいても、仲が悪かったり、縁が切れている人たちも、親孝行したくてもできないのです。
親の介護とは、強制的にさせられる親孝行だと気づきました。
正直私は、父に対して興味を示さずに生きてきました。
同じ家に住んでいるのに、父の近況を全然知らないのです。
父と仲良いのは妹の方で、遠くに住んでいる妹から父のことを知る始末です。
そんな体たらくだったので、宇宙は強制的に「親孝行イベント」を発動させたのだと思います。
世間では、親の介護をネガティブに捉えます。
介護疲れで親を殺したニュースはよく聞きますし、私の親戚でも介護疲れで自殺した人がいます。
介護施設で働いていたときも、「このまま家で介護していたら親を殺してた」なんて言う利用者さんの家族もしました。
なので、親の介護を「幸せ」なんて言うのは綺麗事でしかないのかもしれません。
だけど、親の介護を「単なる嫌なこと」で終わらせるのも良くないと思います。
これから多くの人が親の介護を強いられる時代が来るのです。
そんな時代に全員が「親の介護は嫌だ」と思っていたら、本当に暗い世の中になってしまいます。
そうではなく、「親の介護ができるのも幸せかもよ」という考えも必要なのです。
物事には必ず良い面と悪い面があります。
その良い面にも目を向けようぜと思います。
そうでないと、介護する人たちが先に潰れてしまいます。
自治体にはさまざまな介護サービスがあります。
上手に使って、この「親孝行イベント」をクリアしましょう。
画像引用 ペコロスの母に会いに行く : 作品情報 - 映画.com
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