飛騨口伝シリーズの9回目です。
前回は、飛騨の口碑が伝える、邇邇芸命(ニニギノミコト)の天孫降臨について解説しました。
邇邇芸命は大三島で大山下住命(オオヤマシタズミノミコト)の娘である木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と結婚し、九州へ向かいます。
そして、現在の福岡県苅田(かんだ)町にある宇原神社で、木花咲耶姫はウガヤフキアエズ命をご出産します。
宇原神社には、ウガヤフキアエズ命がご祭神として祀られています。
しかし、宇原神社では他に、彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)と豊玉姫も祀られています。
『古事記』どおりならこれで良いのですが、飛騨口伝では、ウガヤフキアエズ命の両親は、邇邇芸命と木花咲耶姫です。
どうも日本の正史では、この部分が改竄されているそうです。
いわゆる、山幸彦と海幸彦の話です。
このふたりが邇邇芸命と木花咲耶姫の子供となっていますが、本当はこの二柱は天孫族とまったく関係ありません。
画像引用 海幸彦 山幸彦 | 西本 鶏介,藤川 秀之 | 絵本ナビ:レビュー・通販
この山幸彦と海幸彦の物語は、九州に上陸した渡来民族どうしの争いを描いています。
山幸彦とは、朝鮮半島経由でやってきた北満モンゴル族の首長の息子だそうです。
その息子が、南方から経由して九州へ辿り着いた海洋民族の娘と結婚します。
しかしそこへ別の海洋民族が攻めてくるのです。これが海幸彦、いわゆる火照命(ホオリノミコト)になります。
ヒルメムチ命(天照大神)の予言どおり、九州で争いが起きてしまいました。
邇邇芸命一行は、この争いを平定しなければなりません。
そこで、先に偵察のため九州に上陸していた宗像三女神から、ある情報を得ます。
「高千穂にいる、コオロギさんを頼りなさい」
コオロギさん。
実はこの謎の人物が、もうひとつの「出雲族」だったのです!
次回へ続きます。
<参考文献>
※この記事は、飛騨口伝の内容を要約して記しています。詳しく知りたい方は、福来出版のオンラインショップよりご購入し、ご一読ください。
『明らかにされた神武以前』著者:山本健造
『日本のルーツ飛騨』原著者:山本健造 編集者:山本貴美子
『暴かれた古代史』著者:山本貴美子
『裏古事記』著者:山本貴美子
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