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『もののけ姫』考察⑦エボシ御前はもうひとりの「もののけ姫」である!

前回の続きです。

kumashine369.hatenablog.com

 

今回は『もののけ姫』のエボシ御前について深掘りしていきます。

かなり強引な考察かもしれませんので、あくまでエンタメとしてお楽しみください。



エボシ御前といえば、目的を遂行するためなら手段を選ばない「冷酷さ」と「カリスマ性」を持ちながら、売りに出された女性やハンセン病の人を引き取り仕事を与える「優しき」女性リーダーとして、とても魅力的なキャラクターに描かれています。

その彼女の魅力の源は何なのかを探ります。

 

まず、エボシ御前の公式の裏設定があります。

ピクシブ百科事典からの引用です。

 

倭寇頭目に買い取られ妻となるが、次第に組織を支配するようになった後、夫である頭目を自らの手で殺害し、明の兵器と共に日本へ帰ってきたという壮絶な過去がある。ゴンザはこの組織に属していたが、エボシに惚れ込み付いてきたという。

この頃の経験が、社会的弱者、特にかつての自分と同じ境遇の女性達の救済を目指す原動力や男性を信用しない部分の原因となっていた様である。”

 

dic.pixiv.net

 

倭寇とは、13〜16世紀にかけて朝鮮・中国を襲った日本の海賊です。

彼女も身売りに出された女性で、そこから海賊の長として、朝鮮・中国で活動していきます。

 

そこで気になったのが、なぜ彼女の名前が「エボシ御前」なのか。

エボシ御前のモデルになったのは「立烏帽子」と言う女盗賊です。

 

dic.pixiv.net

 

ですが「烏帽子」とはもともと成人男性が被る帽子のことです。なのになぜ女性である彼女らが「烏帽子」と名乗ったのでしょうか。

 

それは彼女らは、男装をして活動していたからではないでしょうか。

烏帽子を被り、男として戦った。

 

その姿は、同じく男装をして三韓征伐を行った神功皇后に重なります。

彼女も海部氏の海軍を率いて戦いに出たので、神功皇后の方がエボシ御前に近いイメージです。

ja.wikipedia.org

そうなると、ある仮説が立てられます。

エボシ御前も本当は高貴な身分だったのではないか。

しかし、理由があって幼い頃に捨てられた。

 

私は、エボシとは「エビス」ではないかと考えます。

エビスとは七福神の恵比寿様です。恵比寿様は烏帽子を被っています。

そして、恵比寿様は出雲の事代主でもありますし、蛭子(ヒルコ)命でもあります。

 

蛭子命イザナギイザナミが産んだ最初の神様ですが、手足のないヒルのような姿なので、川に捨てられる可哀想な神様です。

 

エボシ御前も同じ境遇だったのではないでしょうか?

例えば、皇族や貴族の父と農民の母の間に生まれた子で、禁断の恋ゆえ身分が違いすぎるので捨てられてしまった。

私はそう妄想してしまいます。

 

それに恵比寿様は海の神様でもあり、海賊である彼女とここでも繋がります。

 

しかも恵比寿様は「夷(エビス)」と書かれることもあります。「蝦夷(エミシ)」と同じ漢字が入っています。

 

つまり、

 

エボシ = エビス = エミシ

 

になります。

 

エボシ御前はじめタタラ場の民たちも、朝廷にとってはアシタカヒコと同じ「エミシ=朝敵」なのです。

だからタタラ場は最後に朝廷軍に攻められるのです。

 

そして、古代では鉄器や兵器を作るのを「物部(もののべ)氏」が担当していました。

「もののべ」は「もののけ」の語源と言われています。

 

そうです。鉄や銃器を作る彼ら彼女らもまた「もののけ」なのです。

 

しかもエボシ御前は、本当は高貴な血筋で、姫になっていたかもしれない。

 

と言うことは、エボシ御前もまた「もののけ姫」のひとりなのです

 

もののけ姫」はサンだけではありません!

 

もののけ姫』という物語は、もののけ姫同士の戦いを描いているのです!



ちなみにエボシが蛭子命ならば、

シシ神様=クナトノ大神=イザナギ

なので、エボシにとって「シシ神殺し」とは「父殺し」でもあるのです。

 

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もしこれが本当であるなら、何重にも張られた裏設定に、宮崎駿監督の作家性の恐ろしさを感じます。

 

では次回は、『もののけ姫』の中でも一番の炎上案件である、

「なぜアシタカヒコはカヤからもらった黒曜石をサンに渡したのか」

について考察していきます!

 

↓次回へ続きます。

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参考動画


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参考文献

 

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