飛騨口伝シリーズの6回目です。
前回は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)による「八岐大蛇退治」は、出雲国で暴れていたオロチ族を成敗する話が基になっていると解説しました。
今回は、『古事記』に記されている「天照大神と素戔嗚尊の誓約(うけい)」を飛騨口伝から解説していきます。
画像引用↓
素戔嗚尊は出雲国で悪事を働いていたオロチ族を成敗し、見事出雲地方を統治します。
同じころ、天照大神ことヒルメムチ命は、父の伊邪那岐命(イザナギノミコト)から引き継ぎ、第三十五代皇統命(スメラミコト)となります。そして分家である山下家の思兼命(オモイカネノミコト)を婿に入れます。
思兼命は、『古事記』では“思金命”と表記され、天照大神が天岩屋戸にお隠れになった際、大神を岩屋戸から出す方法を思索した神様です。
その思兼命が、天照大神の夫になります。
『古事記』にも、
「この鏡と思兼命とは伊勢国の五十鈴の宮、即ち内宮に坐す神」
とあり、伊勢神宮の内宮に祀られているのは天照大神と思兼命であり、この二柱が夫婦だということがわかります。
しかし、日本神話では天照大神と素戔嗚尊が誓いをし、神々を産むので、この二柱が夫婦だと解釈されています。
正統竹内文書でおなじみの竹内睦泰氏も、この説を唱えています。
しかし、これは神産みの物語ではないのです。
これもまた飛騨と出雲の政略結婚なのです。
つまり、飛騨王朝のヒルメムチ命の子と、出雲王国の素戔嗚尊の子が、互いに結婚したということです。いとこ同士での結婚ということですね。
素戔嗚尊は、オロチ族を成敗した証に、オロチ族が持っていた「天叢雲の剣(草薙の剣)」を飛騨王朝に献上します。ヒルメムチ命は、飛騨王朝と出雲王国が良い関係を末長く続けられるようにと、互いの子を結婚させようと提案し、素戔嗚尊もこれを快諾します。
ヒルメムチ命の子には、宗方三女神である、多紀理姫(タキリヒメ)、多岐都姫(タギツヒメ)、市杵島姫(イチキシマヒメ)がいます。この三柱と息子の熊野久須毘古(クマノクスビコ)が出雲に嫁ぎます。
そして長女の多紀理姫が素戔嗚尊の息子・大国主と結婚するのです。
しかし、この政略結婚が大事件を起こします。
飛騨王朝と出雲王国の関係を揺るがす大問題へ発展するのです。
次回へ続きます。
※この記事は、飛騨口伝の内容を要約して記しています。詳しく知りたい方は、福来出版のオンラインショップよりご購入し、ご一読ください。
『明らかにされた神武以前』著者:山本健造
『日本のルーツ飛騨』原著者:山本健造 編集者:山本貴美子
『暴かれた古代史』著者:山本貴美子
『裏古事記』著者:山本貴美子
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