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「あんばさま信仰」発祥の大杉神社を出雲口伝から読み解く

前回、福島県浪江町の神社、苕野神社は、「あんばさま」の愛称で呼ばれ、大杉大明神を祀っていて、茨城県の大杉神社と関係があるとお伝えしました。

そして、大杉神社に祀られている神様は、

倭大物主櫛甕魂命(ヤマトオオモノヌシクシミカタマノミコト)

大己貴命(オオナムチノミコト)

少彦名命(スクナビコノミコト)

と出雲の神様であるとわかりました。

 

 

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しかし、実はこれは当たり前なことで、古代の関東平野を統治していたのは出雲勢力なのです。だから出雲の神様が祀られても当然です。

 

それにしても、大杉神社がヤマトにある大神(おおみわ)神社から、三輪大明神が勧請されたのは、とても大きな意味がありそうです。

 

大神神社とは、奈良県桜井市にある神社で、三輪山自体が御神体という、日本最古と言われている神社です。

ご祭神は大物主(大国主)で、出雲国王を祀っています。

 

大神神社HP

https://oomiwa.or.jp/jinja/miwayama/#linktop

 

なぜ山が御神体かというと、出雲族の信仰である神名備(かんなび)山信仰からきています。「なび」とは隠るという意味で、祖霊は綺麗な三角錐形の山に隠っていると考えられました。形の丸い山は、妊娠した女性のお腹を連想するので、女神山と考えられました。三輪山のきれいな形から、女神山の御神体になったと考えられます。

 

そして、出雲族は、インドから太陽信仰を持ってきました。特に朝日を拝みました。ヤマト地方ではちょうど三輪山から太陽が昇るので、人々は三輪山を拝み、三輪山の神は太陽の女神となりました。

 

↓朝日がのぼる三輪山(大神神社HPから)

 

その太陽神がなぜ茨城県にやってきたかというと、本州の最東端だからだと考えられます。本州で一番早く日の出を見ることができ、拝むことができるから。

だから常陸(ひたち)国=日立と呼ばれていたのです。

出雲族から派生したアベ氏が、奥州に「日高見国」を作ったのもそのためです。

 

ちなみに大神神社のご祭神は大物主となっていますが、出雲口伝によると事代主(ことしろぬし)だそうです(事代主は出雲王国の副王)。

それは大神神社の初代祭主のタタラ五十鈴姫が事代主の娘だからです。

自分の父親を祀ったのが大神神社になります。

 

大国主=事代主

 

だとしたら、少名彦も副王の役職名なので、大杉神社に祀られているのは事代主だけになります!

なぜ事代主が祀られているのか、わからないので今後調査して行きます。

 

ただ、大国主の和魂奇魂である倭大物主櫛甕魂命に関しては、名前に「櫛甕魂」があるので、もしかするとタタラ五十鈴姫の兄であるクシヒカタ、別名「天日方奇日方(アマヒカタクシヒカタ)」が祀られているのではないかと、私は推測します。

 

話は逸れましたが、出雲族にとって、茨城の地は、最高の太陽信仰の場所だったのです。だからこの地には鹿島神宮香取神宮のような重要な神社が集結しているのかもしれません。

 

ここまで、出雲族の太陽信仰と大杉神社の関係について説明しましたが、ではなぜ「大杉」神社なのか? 太陽信仰と杉は関係あるのか?

 

その答えは、出雲族が信仰する「龍蛇信仰」に関係あります。

 

↓次回へ続きます。

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↓参考資料

 

 

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